これが不動産査定の常識になっていますが、今後10年以内にはこの常識が通用しない時代がくるのでは?・・・と予想しています。
現在、建物の査定で行われている方法は、再調達原価に現価率を掛ける方法になっています。
再調達原価とは、査定時点での標準的な建築費にもとづいて、査定する建物を現在新築して建てたらいくらかかるかを求めるものです。現価率とは、新築後の経過年数と法定耐用年数によって算出される残存価値率です。
つまり法定耐用年数に近いかまたは超えた建物は査定額が0となり、土地の評価額のみによって査定額が決まってしまうわけです。
投資物件で使われる収益還元法による不動産査定
アパート・マンションの1棟売りのような投資物件では、これまでの方法によって査定をする一方、年間の収益額に着目し、投下する資金に対するリターン(収益)を重視し『この年数の物件であれば、利回りが15%以上ないと売れない・・・』などのように、収益性によって売却価格を決定することが多くなっています。投資物件に対して融資を実行する金融機関も、従来の評価方法によって求められる担保評価に加え、収益性に重点をおいた評価方法によって、融資金額を決定する傾向が増えてきました。
このように、収益性を評価して不動産価値を求める方法を、収益還元法と言っています。
一戸建住宅においては、施工技術の進歩により耐久性が向上している現状を考えると、これまでの耐用年数にもとづいて住宅の評価を行うことは、合理的ではなくなってくるのではと予想しています。
ではどのように変えるとよいのかというと、ひとつは法定耐用年数を長くすることですが、すべての一戸建住宅の耐用年数を長くするのは無理があります。
何故なら、すべての住宅が耐久性が高まる工法で建てられているわけではありません。中には『まだこんな方法で建ててるの?』と疑問に感じる住宅も現実にあるからですが・・・・・
そこで、耐久性の高い住宅には、個別に評価方法を変えてみてはどうだろうかというのが、この項のテーマです。
新しい一戸建て住宅の評価方法
一戸建て住宅は、基本的には収益物件ではありません。もしも借家にしたら・・・という仮定によって収益性を考えることも出来ますが、根本的に投資物件とは異なります。では、耐久性が高まり寿命の長くなった住宅の査定は、どのようにするとよいのでしょう?
耐久性が高まったとはいっても、住宅のすべての部分ではありません。耐久性が高まったのは主要な構造体部分です。それ以外の屋根や外壁、室内の仕上材や設備機器などは、従来通りの耐用年数しかありません。
そこで、再調達原価を耐久性が高まった主要構造体部分の原価と、それ以外の原価に分けるという考え方がでてきます。
主要構造部にかかる費用は、住宅の工事費のおよそ30%〜35%と考えられます。
仮に再調達原価が1800万円の住宅であれば、主要構造部は600万円前後と考えられ、この部分だけは耐用年数を50年で計算し、それ以外は25年で計算してみるというのも方法です。
例えば築22年の住宅の場合、1200万円×3/25+600万円×28/50=480万円が建物の査定額となります。
不動産査定をされている方、こんな考え方はいかがでしょうか・・・・・?
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